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一見万能に見えるノーコードも使い方には注意が必要!

ノーコードって何か一言で言えますか? (後編)

2022.04.15

こんにちは、ノーコード総研所長の北村です。前編に続きノーコードとは何かを初心者の方でもわかりやすく解説していきます。今回は一見便利そうに見えるノーコードの注意点も併せて紹介します。

 

前回のおさらい

①ノーコードの特徴
・一定のサービス開発が「プログラミングを一切行わず制作可能」
・プログラミングの代替だけでなく、周辺の手続きを簡略化する機能も備えている
・エンジニア不在でも外部に発注せずにウェブやアプリの制作が可能
・開発体験が向上する
②ノーコードが流行している背景にはIT人材の不足も影響している

ノーコードを使うメリットと注意点

前回の記事でも述べたように、ノーコードを使うことによるメリットは非常に大きいものの、必ずしも全ての企業・チーム、プロジェクトにとって機能するという訳ではない、ということを強調しておきたいと思います。

プログラミング不要=簡単に何でもできる、と捉える方も少なくないと思いますが、一般的なノーコードはある程度のITの知識が必要であるとともに、用途が限定されている場合や機能が拡張しづらい場合もあることから、万能ではないことも理解しておく必要があります。そのため、この章では、ノーコードのメリットだけでなく、注意点も整理をしておこうと思います。

メリットと注意点

・メリット
非エンジニアでもサービス開発が可能
制作・運用・改善のスピード実行

・注意点
UI/UXが変更しづらいことがある
制作・運用ハードルが高いことがある
大規模・複雑な機能開発には向いていないことがある

※全てのノーコードに当てはまるわけではないため(場合がある)と記載しています。
※UIユーザーインターフェイス(画面上で見られる情報、フォントやデザイン等のこと)
※UX ユーザーエクスペリエンス(サービスに触れて得られる体験や経験のこと)

このようにメリットが多い反面、注意点もそれなりにあるため、一つずつ説明していきます。

①「UI/UXが変更しづらいことがある」

特に業務系や用途を絞ったプロダクトに多くみられる特徴です。一般的に業務に利用する場合は、デザイン性よりも機能に重きが置かれるため、UI/UXにこだわることは比較的少なくなります。

言い換えると、定型のUI/UXを設定することにより最小限の工数で業務系アプリケーションを作れることや、使い方がシンプルであることが重視され、UI/UX設定が柔軟であることの優先度は多少下がる傾向にあります。このように業務系についてUI/UXの定型化は問題にならない一方、BtoC向けのサービスを制作する場合、企業やブランドのイメージを最大限反映することが多いため、UI/UXの柔軟性は高ければ高いほど歓迎される傾向にあります。

ただ、中にはカラーや画像以外UIが変更できない、ページの遷移が自由に設定できないなど、柔軟性に欠けるプロダクトも多いため、注意が必要です。スクラッチ開発(一から独自に開発)に近いUI/UX設定の柔軟性を持つプロダクトもあり、選定の際は誰向けに提供するかを十分踏まえた判断が必要になります。

②「制作・運用ハードルが高いことがある」

柔軟性の高いプロダクトに多くみられる特徴です。一つ目の注意点とは逆に、UI/UXの柔軟性が非常に高く、簡単なデータベース設定、API設定ができるなど、サービスを高度化するために多くの工夫が凝らされたものが存在します。

多くの機能が盛り込まれた結果、魅力的なサービスが出来上がる可能性が高まることは言うまでもありません。

ただ気をつけなければならないのは、高度なサービスが出来上がるということは、制作・運用も高度になりやすいということです。データベースやAPIの知識が必要になる場合など、多少ITに慣れ親しんでいる方でないと対応が難しいことから、導入判断の際はあらかじめ無料登録するなどして直接体験してみると良いかもしれません。

③「大規模・複雑な機能開発には向いていないことがある」

こちらはイメージがしやすいかと思います。ノーコードプロダクトはある程度できることや仕様が決まっているために、例えば大量のデータを受け付ける基盤や、複雑な技術要件に対応するための機能を持っていない場合があります。複数のプロダクトと連携することでその欠点を埋めることも可能ではあるものの、制作・運用ハードルが高くなる傾向があるため、十分その前提を理解した上での利用が求められます。

まとめ

最後に一言でまとめると、ノーコードは「非エンジニアでもサービスが作れる便利なツールで、今後のIT人材不足を解決する処方箋」と言うことができます。ただしここまで述べてきた通り、良いことずくめなのがノーコードではありません。ノーコードの特徴を理解し、うまく付き合っていくことで、多くのメリットが享受できることを理解して頂くために、私たちノーコード総研は有益な情報をどんどんお届けしていきます。

次回はまず全体感を皆さんに知って頂くために、ノーコードの分類と具体的なプロダクトをご紹介していきます。

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