ノーコード総研

この記事をシェアする

ノーコードの人気プロダクト「Bubble」について紹介

Webアプリとモバイルアプリのノーコードについて (後編)

2022.05.20

前回はノーコードをより深く理解するためにノーコードがどのような仕組みで作られているのかを紹介しました。「インフラ」や「フロントエンド」など聞きなれない言葉も多かったかもしれません。そういう技術も使われていると理解があるだけで、今後のさまざまなプロダクトの仕組みを理解しやすくなります。後編では定番のノーコードプロダクト「Bubble」について紹介します。

Webアプリとモバイルアプリのノーコードについて (後編)

Webアプリ制作といえば、業務系のアプリ制作プロダクトとして「Outsystems」「 caspio」などがグローバルでは有名で、ノーコード/ローコードによるWebアプリ制作が可能となっています。

場合によってはモバイルアプリが制作可能なものもありますが、基本的にはWebアプリが中心です。今回は、BtoC向け, BtoB向け, 業務系Webアプリの開発が可能な非常に汎用性が高いプロダクトとして「Bubble」をご紹介したいと思います。

Bubbleは国内はもちろん、グローバルでも最も人気のあるノーコードプロダクトの一つです。Outsystemsなどの業務系プロダクトの場合、一般ユーザーが手を出すにはハードルが上がるものの、Bubbleの場合は無料で簡単に登録でき、すぐににプレビューページを表示して動作を確認できるなどのユーザーフレンドリーな体験から、比較的試しやすくなっています。

非常に自由度が高いため、Webアプリ制作の分類の中では圧倒的な人気を誇り、YouTubeやオンライン学習サービスの「Udemy」で講座がいくつも開講されるなど、ノーコードと言えばBubbleと言っても過言ではないほどの盛り上がりを見せています。コミュニティも非常に熱心で、連日Q&Aがユーザー同士で行われたり、Twitterやブログで使用方法を発信しているユーザーもいるほどです。

使いやすいBubbleの管理画面

前置きはこのくらいにして、プロダクトを見ていきましょう。こちらがBubbleの管理画面です。

左側には複数の重要なタブが並んでおり、デザインの作成・詳細設定、データの設定や処理の流れをドラッグ&ドロップで作成します。
例えば、「Design」というタブの隣に表示されている部品(Text, Buttonなど)をドラッグ&ドロップで右側に配置することでデザインの作成が可能です。また、ユーザー情報や様々な登録情報を格納するためのデータベース(データの保存場所)を定義し、処理設定と組み合わせることで、柔軟性の高い機能が実現できます。

中央には制作途中のWebアプリが表示され、文字や画像などの要素をタップすることで設定用のポップアップが表示され、詳細な設定が可能です。動作確認の際には、右上に青字で表示されている「Preview」ボタンをタップすると、別タブが開き、テスト用のサイトを表示させることができます。

実際に出来上がったWebアプリに触れてみるとわかるのですが、コーディングによりソフトウェアエンジニアが開発したと言っても疑わないほどに非常に高機能なアプリの制作が可能です。柔軟性の高いアプリ制作ができるため、それに比例して学習コストが高いのもBubbleの特徴です。ただ、上述したインフラ、フロント/バックエンドを全て一つのプロダクトが包含してくれていることから、Bubbleの学習により時間的コストがカットされ、本来考えるべき要件やビジネスの議論にフォーカスできるようになるのは大きなメリットです。

このような特徴はどの企業にも有益なものですが、特に創業当初の企業にとっては非常に効果が大きく、初期のシステム開発をBubbleで行う事例も出てきています。また、Bubbleで作られたシステムによる資金調達のニュースも出始めており、ここ1〜2年はノーコードのフェーズが一気に進んだように感じます。

Bubbleによる資金調達の事例はこちら

ここまでご紹介したように、Bubbleは本来ソフトウェアエンジニアが必要とする学習量と比較し、大幅に学習コストを削減しながら高機能なWebアプリを制作可能なことがご理解頂けたかと思います。他サービスとの連携設定などITの知識が求められる場面が多いのも事実ですが、使いこなすことができれば非常にパワフルなツールとして皆さんを助けてくれるでしょう。

この記事をシェアする
その他の記事
メディアの皆様へ
ノーコード総研では、国内外のノーコードツールの利用動向や。各種ツールについてなど、さまざまな調査を推進しています。ノーコードやDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する取材や、共同調査・研究、セミナーなどの依頼は、こちらのフォームよりお問い合わせください。